Domestic Violence

一昨日初めて体験しました。
DVの現場を。

僕は、泊まらせてもらっている友人(A君)ともう一人の友人(B君)とで宿泊先の友人の家の前で話していました。
すると、家の中から女性の叫び声。
僕は、最初なんかジンバブエ人がじゃれてるのかと思っていたのですが、どうやら叫び声が必死な感じ。

しばらくするとA君が家の中にいた家族から呼ばれて中に入っていきました。
みんな現地語で話しているので事情がつかめず、まだ外に居るB君に何が起こったのかと尋ねました。
B君は、
「A君の弟が、その嫁をしばき回してる」と。
「A君の弟が嫁に『もうお前を愛していない』と言い。その場で別の不倫相手に電話をかけて会いにいこうとしたとこで喧嘩になり、逆に弟が嫁をしばいてる」と。

僕とB君は家庭の事情だからと、外で待機していました。
しばらくすると、止めに入っていたA君が凹んだ感じで帰ってきました。
嫁は左腕を負傷。アイロンでどつかれたみたいです。

この国で、女性の権利は相当低いものです。
DVは社会問題です。けっこうよくある事みたいです。

これらは全てロボラという、結納に似た制度に起因しているといっても過言ではないです。

簡潔にいうとロボラとは、新郎が新婦の家族に牛や生活用品などを渡す制度です。その額は人によって変わるようです。
日本の結納金と違うのはその考え方です。
新郎はロボラを支払う事で新婦を買い、新婦の家族はロボラを受け取る事で新婦を売るという感じに限りなく近いニュアンスでこの制度を捉えています。(数人のジンバブエ人に調査)

これにより新郎は、嫁という物を得た事になります。
ロボラを支払っているので嫁という物に何をしてもいいという事になります。
蹴ります、殴ります。
よそに女作ります(半ば嫁公認)。
インフレで生活大変なのに、嫁に金渡さず酒飲みます、よその女に金使います。
このような事をしてしまう原因はロボラを支払った対価として女(嫁)を買ったと考えているからだと言えます。

ロボラについて話しだすと長くなるのでこの辺でやめときますが、これはジンバブエ人を考える上で非常に興味深い制度だと思います。

最近インフレのレートの上昇が落ち着いていましたが、また上昇し始めてます。どこまでいくのやら。
また近々デノミしそうね。

あっ、明日から1週間ほどウガンダに行くのでこのブログもその間お休みです。
ではまた来週。
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衰退国

まあずっと書いてるように、今僕は子供にバスケを教えたり、彼らが大会に参加できるようにアレンジするのが仕事です。

子供に教えてると思う事があります。
「日本の子供に比べてあらゆる面で選択肢がすくない」

バスケだけとっても、
バスケコートは外だけ
ボールは援助で得たものだけ。個人で持つ事などない。そのボールもつるつる。
バッシュなんか選ぶどころか買う事もできず、ほぼ裸足
大会は出たくても、移動手段が少ないので出れる大会は限られる。
学校だって、行きたくてもお金がなくて行けない子も増えてます。
などなど、言い出すときりないのでこのへんで。

選択肢が少ない事は、彼らの可能性を狭めてしまう事です。
夢を見る事も、その種類さえ減らしてしまうことです。

たしかに子供にも駄目な部分はあります。
時間はろくに守れないし、アホなこと好きだし。
でも、最も問題なのはインフレだと思います。子供にはこの件に関して何の罪もありません。
けど、そのせいで彼らの選択肢は少なくなる一方です。十分な教育も得られない。
過去にこの国が良かった頃はそういうものも充実してたのでしょう。ほとんどの人が英語話せるし、知識もある。
ただ今はストでろくに学校もない。学校に行くお金のない子も多い。このままでは将来が不安です。

以前、うちのバスケチームに所属し毎日練習に来る、お金がなくて中学校に行ってない生徒に言われました(うちのは地域チームのため学校行ってなくても所属可)。

「俺はお金がなくて、今は学校に行ってない。親が居なくておじいちゃんに育ててもらってるから。けど学校に行きたい。どうすればいい?」

「大会で良いプレーして、私立学校の奨学金もらってこい」
としか言えなかった自分が情けなかったです。

この発展途上国ならぬ、衰退国ジンバブエで子供は厳しい状況に置かれてると思います。
国際協力で、スポーツが寄与できることとして、子供達に可能性を教え、夢をみる手伝いをするというのが一つあると気づいたのは最近ですが、なかなか難しい。


けど、あいつらアホみたいな顔で笑って、楽しそうに生きてるしまあいいかなー。

PA200002+
彼らにも、
PB130008+
彼らにだって罪はない。

ジンバブエ・インフレーション まとめ

また知らない間にどっかのサイトにこのブログが載ったのか、アクセス数が大変な事になってました。
今回はいろいろ誤解もあるようなので、現在のジンバブエのインフレーションについておさらいしましょう。

現在この国には、外貨との交換レートが3種類あります。
・バンクレート(いわゆる公式の両替レート)
・キャッシュレート(闇両替のレート、一般生活に即したレート)
・チェックレート(RTGS)(闇両替のレート、これが話題になってるかと思われる1京%だとかのインフレ率になっているレート。生活には即していない)

まずはバンクレート。
これは、銀行に行って両替したときに通用される公式レート。公な場面ではこのレートが使われる。大使館や政府関係の組織はこのレートを使用している。ただ現実的なレート(闇両替のレート)とはかけ離れており、損をしてしまうため誰も銀行では両替しない。
現在1US$=約9000ZW$

次にキャッシュレート。
これは非公式な両替で、闇両替ディーラーに外貨の現金を渡し、ジンバブエドルを現金で受け取るという形の両替の際に適用されるレート。ただ物価は基本的にこのレートに連動している。
現在1US$=約800,000(80万)ZW$。今週の月曜日は1US$=300,000ZW$程度だったので、1週間で2倍以上に。

最後にチェックレート、またはRTGS。
これも非公式な両替で、闇両替ディーラーに外貨の現金を渡し、それ相応のジンバブエドルを小切手で受け取り、自分の口座に振り込む。
この場合、ジンバブエドルの現金を受け取ることはない。相応のジンバブエドルが口座に入るだけである。ただ現在、ほとんどの店では小切手を使えないし、銀行からおろせるお金の上限が500,000ZW$と制限されているので、口座にある金を使いきる事はほぼ不可能だと考えられる。またRTGSとは、最近まで禁止されていた取引で、昨日あたりから復活。これは闇両替ディーラーに外貨の現金を渡し、ディーラーの口座から自分の口座に振り込んでもらう取引。この場合もジンバブエドルの現金を受け取る事は無い。
現在1US$=約150quadrillion(15京)ZW$

以上3つがこの国の両替レートの詳細である。
現在、現実的に機能しているのはキャッシュレートのみである。チェックレートは上記したようにほぼ現実的ではない。15京もの現金を得る事はほぼ不可能である(最高紙幣が100万であるし、十分なキャッシュが流通していない)し、小切手を受け取ってくれる店などジンバブエにほぼ無い。銀行の1日の引き出し最高額が50万ZW$なので、15京全てを銀行から引き出すのは何日かかるのか分からない。現実の市場はキャッシュレートに連動しているので、口座にあるお金だけを考えれば、チェックレートで換金した人は皆金持ちである。ただその金全てを使う事は現実的に不可能である。だから実際はみんな金に困っている。

コーラ(1瓶) 約250,000ZW$
食パン(1斤) 約400,000ZW$
これらは街で手に入れられるものの価格であるが、このようにキャッシュレートに即した価格となっている。
現在、上記したように銀行の預金の引き出し制限があるため、一日でおろした金で買えるのはコーラ2瓶ほどである。この国の現在の最高紙幣1,000,000札でもコーラ4瓶買える程度。ただインフレは毎日進んでいるので、最高紙幣で買えるコーラの本数は毎日減っていくのみである。

最近ではスーパー等でもUS$が使える店が増えている。商売する者にとって安定して品物への対価を得れるのはUS$のみだからである。
ただ一般市民はUS$を手にする事などなかなかできない。だからこの国の格差は広がる一方なのだ。

毎日銀行には長蛇の列が出来ている。皆毎日金を引き出さないと生活できないためである。
最近の新聞にQuadrillion以降の英語での数字の数え方が掲載されてました。そらそうだよね。数え方わからないと困るもんね。

このインフレーションはとても異常である。ただジンバブエ人でない僕が現在の状況下でこのような体験を出来るのは、彼らには申し訳ないけど、とても興味深い。
このインフレの感じ、日本で住んでいる人には分かりにくいかもしれないので、質問あれば答えます。

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Author:oniko
ここでジンバブエという国を知ってください。



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