友人の死とジンバブエの近況

ジンバに戻ってから一人だけ再会できていない友人がいました。
海外にでも逃げたかーと思ってたのですが、どうやら違ったようです。

彼とは、僕が赴任した当初からの知り合いでした。

バーで知り合って、それ以来飲み友達でした。週末になると誘いに来て一緒にバーに行き、酒をおごりおごられする仲でした。

「太い女は美しい」と日本人の観念を根底から揺るがすような名言を残したのも彼でした。

ジンバの超人気歌手マチェソの年越しコンサートに行こうと約束したのに、2人でコンサート前に飲みすぎて金を使い果たし、忍び込もうとして警察に怒られたのも彼でした。

2人で飲みに行ったのに、俺の横で延々1時間くらい太い女を口説き続け、振られたのも彼でした。


などなどといろんな思い出がある彼なので、再会したかったのですが無理でした。
僕の上司の旦那が、彼の上司だったのでその人から聞きました。
死因は病気だと。
おそらく、HIVかマラリア、コレラで亡くなったのだと思います。

まだ彼は30歳くらい。この国の平均寿命は37,8歳だったはずなので、それより低いことになります。
マラリアやコレラは、現在では適切な治療さえ受ければ死ぬ病気ではありません。
HIVはAIDSが発症してしまえば、死にますがきちんと治療さえ受ければ、もっと長生きできる可能性はあったでしょう。

日本人がマラリアやコレラになっても、薬を手に入れることができるので死ぬことはほとんどないと思います。
ただ彼らはその薬を買う金がない、適切に治療を受けれないなどの理由で、若くして死んでいきます。子供たちならなおさらです。
日本では死ぬような病気じゃないのに彼らは死んでしまう。とても悲しいことです。

現在ジンバブエではコレラが大流行しています。
世界最悪のインフレで、経済が悪化、公共設備にお金が回らない。結果、安全な水にアクセス出来る人が減る。で、コレラ流行。
首都にくれば、日本より多くのベンツやハマー、ランクルを見ることができます。
政治家は汚職によりかなり多くの金を得ているようなので。

僕に出来ることは何もないけど、目の前にこの状況があるのは悲しい。
とにかく、友人のご冥福を祈りたい。

お金

昨日付で新紙幣が発行されました。

100,000ZW$(10万)札
500,000ZW$(50万)札
1,000,000ZW$(100万)札
今日すでに街に新紙幣でまわってました。


インフレすげー。とまんねー。
俺がこっちにきて1週間後位に50,000(5万)ZW$札でたとこなのに。
もう100万まででちゃった。
このスピードは驚異的だ。

僕が2年前の同時期にジンバいた時は、こんなんじゃなかったよ。
新紙幣なんかあんま発行されなかったし、換金レートと物価の上昇ももっと緩やかだったし。

はー、ひどいねー。
10月10日のキャッシュレートが1US$=10,000ZW$くらいだったのに、
今日はもう1US$=200,000ZW$くらいだ。1か月も経ってないのに、もうレートが20倍くらい。
はー。
チェックの換金レートは1US$が何百ビリオンか何トリリオンZW$とか意味分かんないし。
みんなUS$使ってるし。

物価もすぐ上がるので、もう金の価値とか訳わかんね。
昔は100US$とか一気に両替したりしたけど、今は10とか20US$ずつ両替しないと、相当損しちゃうしねー。

ハイパーインフレすげー。
ほんますげー。

すでに、新紙幣をもった闇両替する奴らが大量にしかも至るところに街中にいました。
最近あいつらは、手に札束をもって堂々と路上で闇両替してます。警察の目とか気にせずに。
数もかなり増えたし。闇両替はもはや違法じゃないのか?と思わせるほどに。
よくワカンナイ。


サザ

ジンバブエの主食はサザと呼ばれるものである。
それはメイズ(白とうもろこし?)を乾燥させて、粉末状にしたものを、お湯でなんかぐちゃぐちゃにして、すこし固めたようなやつである。
それとビーフのシチューや野菜につけて食うのが、彼らの食事である。

以前から肉はなかったので、一般家庭では野菜と豆と一緒に食うようになっていた。
もはや肉は彼らにとって高級食材なのだ。
僕も、以前ジンバブエにいたときは、肉が高く手に入りにくかったので、
毎日キャベツばかりを食っていた。


ただ今年は干ばつの影響により、
サザの原料であるメイズが不作なのである。

現在で、もはや市場においてサザの原料(mealie meal)を見ることはありません。ブラックマーケットでしか買えない。しかも相当高く、庶民が手の出る価格ではない。野菜は結構手にはいりますが。

WFPが警告を出しています。(http://www.asahi.com/food/news/TKY200810210340.html)

なんかみんなすでに飢えている。少し収入が低い層であったり、農業をしている知り合いがいない人たちなど。首都ハラレはまだましなようですが、僕の働いてるとこなど地方に出れば、やっぱひどい。

僕の同居人の、元同僚もあと1週間で当面のmealie mealがなくなってしまうと言っていた。
彼も新たに買う金はもちろんない。(ちなみに今の教師の給料、日本円で100円きってます)
僕もその元同僚のものを食ってるので、非常に申し訳ない。前、彼のためにmealie mealは買いましたが。

来年どうなるのかわかりません。

餓死者が大量にでるかも。

なんとかなればいいけど。

僕にはどうすることもできませんが。

目の前の友人たちが、最近本当にお腹すいてる感じなんでいたたまれません。

ジンバブエ人はまだ笑顔でいるけど、それがなくなっていくこともあるのかもしれません。

日本にいれば、食糧難のことなんて考えもしないけど、現実に目の当たりにすると大変です。厳しいです悲しいです。

でもほんとうにこのまま食糧不足が続けば、あのおとなしいジンバブエ人もそろそろ怒るかもね。

そうなれば余計辛い。
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ここでジンバブエという国を知ってください。



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